DESIGN REVIEW
感想を、次に動ける言葉へ。
「もっと目立たせて」「少し今っぽく」「なんとなく違う」。デザインの確認でよく聞く言葉ですが、そのまま修正を始めると、色や大きさを変え続けても着地点が見つからないことがあります。必要なのは、感覚を否定することではなく、その感覚が生まれた場所と理由を一緒に確かめることです。
この記事では、Webサイトのデザインレビューを想定し、指摘を具体的な作業へつなぐ方法を紹介します。以下は小規模な制作チームでも使える進行例です。役割や承認の仕組みに合わせて調整してください。
1. 最初に「何を判断する会か」を決める
同じ画面でも、構成の確認と色の確認では見るべき点が違います。構成を決めたい段階で角丸や影の話に入ると、作業が進んだように見えても情報の順序が決まりません。レビュー前に、今回決めたいことを一文で共有します。
たとえば「初めて訪れた人が、対象サービスと相談方法を理解できる構成かを確認する」と書きます。併せて、まだ仮の文章や写真を示しておけば、仮素材への指摘に時間を使いすぎずに済みます。
2. 目的・観察・影響・提案に分ける
指摘は、画面で見えたことと、そこから推測したことを分けて書くと伝わりやすくなります。次の表は、架空のサービス紹介ページの例です。
| 項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 目的 | 初回相談の入口を見つけてもらう |
| 観察 | 資料ダウンロードと相談のボタンが同じ色・大きさで並んでいる |
| 影響の仮説 | どちらが主な行動か判断しにくいかもしれない |
| 提案 | 相談を主ボタン、資料を補助リンクにした案と比較する |
「分かりにくい」と断定する前に、何を見てそう感じたのかを残します。利用者の行動をまだ確認していないなら、影響は仮説として扱いましょう。
3. 直し方を一つに固定しない
「文字を赤くしてください」という指示の裏には、「注意事項を読み落としてほしくない」という目的があるかもしれません。その場合、色を変える以外に、見出しを付ける、配置を前へ移す、文章を短くする方法も考えられます。
まず目的を確認し、必要なら少数の比較案を出します。全部を同時に変えると違いの原因が分からなくなるため、比較したい条件を絞りましょう。たとえば配置を比べるなら、色と文章は同じにしておきます。
4. 指摘を優先順に並べる
- 先に直す:対象者・内容・行動が誤って伝わる問題。
- 次に検討する:読みやすさや見つけやすさを改善する問題。
- 仕上げで整える:細かな間隔や表現の統一。
これは進め方の一例です。小さな見た目の問題でも、ブランドの重要な条件に関わるなら優先度は上がります。見た目の大小ではなく、今回の目的への影響で判断します。
5. 会議の最後に「決まったこと」を読み合わせる
レビューが終わったら、採用する案、保留する点、確認する人、次の期限を短く残します。「ボタンを調整」ではなく、「主ボタンは相談、補助は資料。文言は担当者が確認し、次回はスマートフォン幅で再確認」のように書くと、作業の範囲がはっきりします。
練習では、自分が過去に書いた「見づらい」「弱い」という指摘を一つ選び、目的・観察・影響・提案へ書き換えてみてください。良いレビューは正解を言い当てる競争ではなく、次に確かめることを共有する作業です。