PORTFOLIO
何を作ったかに、なぜそうしたかを添える。
ポートフォリオに完成画像を並べても、「この人はどこまで担当したのか」「なぜこの構成にしたのか」が伝わらないことがあります。作品の数を増やす前に、一つの事例を読み手が理解できる形へ整理してみましょう。
この記事では、Webデザイナーの制作事例を、課題・担当範囲・判断・確認という順序で書く方法を紹介します。採用や受注の結果を保証する型ではありませんが、制作の過程を説明する練習に使えます。
1. 案件の輪郭と自分の役割を書く
冒頭で、何を作ったか、誰に向けたものか、どこを担当したかを短く示します。「コーポレートサイト制作」だけでなく、「地域の設備会社を想定した採用サイト。構成、文章案、デザイン、HTML/CSSを担当」のように書きます。
共同制作なら、チーム全体の成果と自分の担当を分けます。自主制作は自主制作と明記し、架空の依頼を実案件のように見せないことが大切です。実案件は、掲載できる情報と画像の範囲を確認してから公開します。
2. 課題は観察できたことから組み立てる
「問い合わせを増やす」という目標だけでは、具体的に何を直すべきかが見えません。「対象サービスの説明がページ下部にあり、最初の画面では何を依頼できるか分からない」のように、画面上の問題を示します。
調査をしていないなら、「利用者が困っていた」と事実のように書くのは避けます。「初めて訪れた人には内容を判断しにくいのではないかと考えた」のように、自分の仮説として整理できます。
3. 比較案と選んだ理由を一つ見せる
途中の画面を大量に並べる必要はありません。代表的な判断を一つ選び、比較案と採用理由を示します。たとえば、サービスを業種別に分ける案と、相談内容別に分ける案を比較し、想定読者が自分の状況から探せる後者を選んだ、と説明します。
| 項目 | 説明の例 |
|---|---|
| 比較条件 | 写真・色・文章量をそろえ、情報の分け方を比較 |
| 採用理由 | 専門用語を知らなくても相談内容から探せる構成を優先 |
| 残る課題 | 分類名が伝わるかは、想定読者への確認が必要 |
「おしゃれだから」だけでなく、課題と選択をつなげます。見送った案にも利点があったなら、その条件を添えると判断の背景が伝わります。
4. 成果と未確認のことを分ける
公開後のデータがない場合、改善率や売上への効果を作ってはいけません。代わりに「スマートフォン幅で見出しが重ならないことを確認」「問い合わせまでのリンクを操作して確認」のように、実施した検証を具体的に書きます。
実績の数値を載せるなら、期間、比較対象、集計条件、同時に行った施策も確認します。複数の要因がある結果を、デザインだけの成果として説明しないようにしましょう。
5. 学びを次の行動にする
最後を「勉強になった」で終えると、次につながりにくくなります。「長い見出しでカードの高さが崩れたため、次回は最長の見出し例を先に置く」のように、次に変える手順を書きます。
- 目的と担当範囲が冒頭で分かるか。
- 課題が自分の観察や調査と対応しているか。
- 採用案の理由を一つ具体的に示したか。
- 確認済みのことと仮説を分けたか。
まず一つの作品について、この四つを短く書いてみてください。完成画像に判断の過程が添わると、読み手は見た目に加えて、どのように制作へ向き合ったかを理解しやすくなります。